診断結果が当たってないと感じたとき

飲み会の翌日、隣の席だった子に診断を勧めてみたことがあります。普段はツッコミ役でテーブルを回している印象の子だったんですが、結果を見せてもらったら受け身寄りのタイプが出ていて、本人が「え、これ全然違う」と笑っていました。僕の中の印象とも、本人の自己像とも、どっちともズレている。そういうことが、わりと起きるんですよね。
診断ボタンを押して結果が出た瞬間、「うーん、これは違うかも」と画面の前で首をかしげる。タイプ名を見て、説明を読んで、半分はうなずけるんだけど、残り半分がどうもしっくりこない。そういうとき、人はそっとページを閉じてしまうものです。心当たり、ありませんか。
運営している立場で書くのもなんですが、正直に言います。診断結果が当たってないと感じること、僕はあると思っています。これは謙遜でも保険でもなくて、56問で人ひとりを言い当てきれるなんて、そもそも思っていないんですよね。
じゃあ作っている意味がないじゃないか、と言われそうですが、そうではありません。当たらないことがある理由をちゃんと知っておくと、この診断はむしろ使いやすくなる。今日はその裏側の話をします。
人は、相手と場面で別人になる
一番大きい理由はこれです。人の立ち振る舞いって、相手や場面でけっこう変わるんですよね。
気心の知れた友達の前では、ボケ倒して、いじられても平気で笑っていられる。手数で押していくフルスロットルな自分が出る。ところが初対面ばかりの会食やフォーマルな場になると、急に一歩引いて、相手の話を聞きながら言葉を選ぶ。一発を厳選して、クレバーに間を計る自分に切り替わる。同じ人なのに、まるで別のタイプみたいでしょう。
これは二面性とか裏表とか、そういう話ではありません。場に合わせて自分を出し入れできるのは、むしろ自然なことです。職場の自分、家族の前の自分、SNS上の自分。どれも嘘ではないけれど、出ている面が違う。だから56問に答えるとき、頭の中でどの場面の自分を思い浮かべていたかで、結果はわりと簡単にずれます。
どの自分を思い浮かべて答えたか
診断を受けているとき、人は無意識に「ある特定の場面の自分」を基準にして答えています。
たとえば最近モヤッとした出来事があった直後だと、その場の自分が頭に残っていて、いつもより受け身寄りに答えてしまう。逆に楽しかった飲み会の翌日なら、テンションの高い自分を思い浮かべて、勢いのある側に振れる。質問文を読んだとき真っ先に浮かぶ場面が人によって違うから、同じ人でも受けるタイミングで結果が動くんです。
少し日を置いてもう一度受けてみると、軸が一つか二つ入れ替わる、ということもあると思います。ツッコミ寄りだったのがボケ寄りになったり、いじり側だったのがいじられ側に転んだり。これは診断が雑だからではなくて、あなたが場面で変われる柔軟な人だから、という見方もできます。境界線の近くにいる軸ほど、思い浮かべる場面ひとつで右にも左にも転ぶ。
それでも結果に意味はある
ここまで読むと「じゃあ信用できないのか」と思うかもしれませんが、僕はむしろ逆だと考えています。
結果が一つにビシッと定まらないこと自体が、その人の情報なんですよね。ある場面ではオールラウンド司令塔みたいに全体を見て回し、別の場面ではマイペース仙人みたいにふわっとかわしている。その振れ幅こそ、あなたの立ち振る舞いの地図です。一つのタイプ名に縛られるより、二つ三つの自分を行き来している、と捉えたほうが実態に近い。
当たってないと感じた結果も、よく見ると「これはあの場面の自分じゃないな」という気づきをくれています。違和感は外れではなくて、どの自分で答えたかを教えてくれる手がかりなんです。だから結果に納得いかなかったときは、思い切って別の場面の自分を思い浮かべて、もう一度受けてみてほしい。出てきた二つの結果を並べると、自分の幅が見えてきます。
限界を認めるからこそ
作り手として、この診断にできることとできないことは、はっきりさせておきたいんです。
できるのは、あなたが普段どんなふうに笑いを作っているか、その傾向に名前をつけて、考えるきっかけを渡すこと。できないのは、あなたという人間を一つの箱に閉じ込めて、これがあなたですと言い切ること。そんな乱暴なことは、56問にも僕にもできません。当たらないことがあると正直に書くのは、この診断を雑に扱ってほしいからではなくて、むしろ過信せずに長く付き合ってほしいからです。
もし結果が当たってないと感じたら、それは診断と対話が始まった合図だと思ってください。違和感を抱えたまま、別の場面の自分でもう一度受けてみる。仲のいい人の前のあなたと、かしこまった場のあなた、両方の結果を眺めてみる。一つの答えではなく、複数の自分を知る手がかりとして使ってもらえたら、作った甲斐があります。気になったら、いつもと違う場面の自分を思い浮かべて、もう一周してみてください。

