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グループLINEでの立ち回り、お笑いタイプ別

深夜のグループLINE。誰かが投げた一言に、ぽつぽつと既読がついていく。返信は来ない。でも数時間後、別の話題でいきなり盛り上がる——あの不規則なリズム、なんとなく身に覚えがありませんか。

対面の飲み会では中心にいる人が、グループLINEだと急に静かになる。逆に、リアルだとそんなに喋らないのに、文字になると妙に切れ味が出る人がいる。同じ顔ぶれなのに、舞台が変わると立ち回りが入れ替わる。

これ、性格が変わったわけではなくて、笑いの「出力方法」が場に合っているかどうかの問題です。お笑いタイプの軸——発信側のボケ(B)か受けて成立させるツッコミ(T)か、攻めるいじり(A)か愛されるいじられ(R)か、勢いのパワー(P)か技巧のクレバー(C)か、数の手数(V)か一発の厳選(S)か——このあたりで眺めると、その入れ替わりがけっこうきれいに説明できます。

熱量が画面で目減りするパワー系

勢いとテンションで押すパワー(P)系は、対面だと無敵に近い。声の大きさ、体の動き、被せのスピード——情報量が全部のっかって、笑いの圧になります。ボケでぐいぐい攻めるフルスロットル暴れん坊あたりは、その場の空気ごと持っていくタイプ。

ところがその熱量、文字にすると驚くほど目減りします。テンションの高い一言も、画面の中では他の発言と同じ大きさのフォントで並ぶだけ。声の勢いが乗らない分、ただ文字が多い人になりがち。

だからパワー系の武器は、文章そのものより別のところにあります。一発で空気を作るスタンプ、絶妙なタイミングで投げる写真、変な角度の自撮り。言葉で押せない分を、視覚で押す。ハイテンション愛され王のような人が選んだスタンプって、なぜか妙に伝わります。あれは熱量の翻訳が上手いんだと思います。

文字の場で本領を出すクレバー・厳選派

逆に水を得るのが、言葉選びと間で勝負するクレバー(C)系と、ここ一番に絞る厳選(S)派です。

対面の会話は止まってくれません。考えている間に話題が次へ流れていく。クレバー系の練り上げた一言は、口に出すタイミングを逃して飲み込まれることがあるんです。でも文字なら、推敲できる。送る前に三回読み返せる。ボケを冷静に狙うワンショット狙撃手や、ツッコミで切るスナイパー毒舌家にとって、これはかなり有利な条件です。

しかも文字の場では「間」が消えます。対面なら、絶妙な沈黙のあとの一撃、みたいな演出が要りますが、グループLINEには間がない。残るのは一撃の切れ味だけ。狙ったところに一発だけ置いて去る、という戦い方がそのまま成立します。マイペース仙人のような、たまにしか喋らないのに毎回印象に残る人、思い当たりませんか。あれは厳選派の文字適性が高いということでもあります。

沈黙を恐れない人ほど文字で強い

文字の場でいちばん誤解されがちなのが、沈黙の意味です。

対面で自分の発言のあとに全員が黙ったら、それはわりと深刻なサイン。でもグループLINEの既読スルーは、まったく別物。みんな移動中だったり、仕事中だったり、単に返す言葉が見つからなかっただけだったりします。スベったから無言、とは限りません。

ここで強いのが、さっきの厳選派やクレバー系です。一発を置いて去る彼らは、反応がすぐ来ないことを前提に動ける。逆に苦しいのが、相手の反応で自分の笑いを成立させる受け側、ツッコミ(T)やいじられ(R)寄りのタイプ。リアクション職人やしたたかバランサーのように、返ってくる反応ありきで回す人ほど、無音の時間に「あれ、滑った?」と不安になりやすい。でも自分で空気を壊しにいかず、文字の沈黙はただの時間差だと思っておくくらいでちょうどいいです。数時間後に「これ好き」とだけ返ってくる、あの遅延こそが文字の場の正常運転。

連投する手数派は、嫌われ役で場を回す

手数(V)系の連投問題にも触れておきます。話題を次々に投げて、一人で五連投くらいしてしまう。通知を埋めて、たまに煙たがられる。心当たりのある人もいるはずです。

ただ、これは擁護したい。グループLINEが完全に止まらないのは、たいてい手数派が無理やり燃料を投げ続けているから。誰かが沈黙を破らないと、グループは静かに死にます。ドタバタムードメーカーの「で、結局あれどうなった?」みたいな雑な一投が、結果的に会話を再起動させている。連投はうるさいけど、止まったグループよりはずっといい。出しすぎたら一回引く、くらいの調整で十分です。

いじられ系は、流れを自分で曲げていい

最後に、いじられ(R)系の話を。文字いじりは、対面より暴走しやすいという性質があります。

表情が見えないので、いじる側はブレーキの効き具合がわからない。軽いノリのつもりが、文字だけが積み上がって、気づけば一人を集中砲火する流れになっている。リアクション職人のような愛されいじられ系は、そこで耐えてしまいがち。受け止めるのが得意だから。

でも、文字の場では受け手が流れを変えていいんです。自分から別のネタを差し込む、スタンプ一発で空気を切り替える、いったん話題ごと持っていく。いじられの愛され力って、耐えることじゃなくて、流れをやわらかく折り返せることだと思います。文字だからこそ、その舵取りは自分の手の中にあります。

同じグループでも、対面とLINEで主役が入れ替わる。それは誰かが上手くて誰かが下手なんじゃなくて、得意な舞台がそれぞれ違うだけ。今夜のグループLINEで、自分がどんな立ち回りをしているか、ちょっと振り返ってみると面白いかもしれません。